kemoxxxxxの日記

kemo cityからの脱出

回る風車はクルクルと。【7】

☆ここで登場する人物や会社名などは全て架空のものです。実際に存在しません。

─ 古参従業員が辞めたいって・・・

先日の飲み会明けの、早番眠くて仕事にならなかった。おまけに二日酔いで、あーしばらく長酒は控えよう。体がしんどい。

昼休憩でのスタッフルームにて。その場はメインカウンターの女性従業員と俺(小林)と下ちゃんだけである。

下岡「小林くん、昼食べないのかい。」

小林「うん、気持ち悪ぃわぁ。昨日寝てないよ、俺。あの後、宮たちとカラオケ行ってさぁ、帰ったの4時半だって!参ったぁ。もう、おにぎりだけでいいか。」

下岡「マジで?小林くん、無理しないほうがいいよ、アハハ。そういえば小林くん、あのね、金ちゃんやめるかもしれない。」

小林「はぁ?ま、マジで?!なんでなんで?!」

下岡「内緒にしといてね…(小声で)ボソボソ...。」

小林「なるほどぉ...」(どうやら湯川が米村さんへセクハラをしていて、米村さんは悩んでいて金子に相談した。そして金子が間に入り解決しようと、湯川にブチ切れたらしい。そして米村さんから金も借りてると。とんでもねーな、湯川のヤロー。)

小林「マジでもう来ないのか...制服返しにくるよね?」(俺が初めて仕事を教えて貰ったのは金ちゃんだ。彼は優しい人だった。なまらショックだ。湯川と対立してた噂は聞いてたけど。)

下岡「うん、その時また話しするけどね、米さんとか他の人には言わないでおいてね。特に宮にだけは絶対内緒でお願いします」

小林「分かってるよ。宮が知ったらしばらく立ち直れないかも...どうせなら金ちゃん、店長に湯川のこと洗いざらい全部バラしてしまえばいい。辞めさせてしまえ!湯川を。」

下岡「そうだね、明日か明後日店長に会いに事務所に来て話するらしいよ。」

二日酔いで吐き気が凄かった。ちょうどその日1階担当は河東で、2回担当は下岡だったから、助かった。でもこの話を聞いて目が覚めた。あの時深刻そうに話していたのはその事だったのか。だから金ちゃんも飲みに来なかったのか...。

宮は意外とシャキッとしてた...。うーん...。



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最近入れ替わりが特に激しくなってきた。新人を採用しても辞めていく。そしてまた新しく新人が入社してくる。俺(岩佐)はあれから一切休まず続いている仕事も楽勝になってきた。足の方も不思議なもんで慣れた。

シフトがかなりバラバラ。早番が2連勤その後遅番の後早番、また遅番に変わり3連勤、そして早番で休みとか、シフトに融通は効かない。

湯川って班長には少し警戒した対応している。明らかに意地悪なことをしてくる。大場班長に関していえば、特に問題はないし、ホールのトラブルでは大場班長の方が少ない。

ついこの間、俺の歓迎会が東区のカラオケ屋で行われた。そして最近入社した田辺倫子という女性従業員と付き合うことになった。倫子も寮に住んでいる。もちろん独身で24歳。外見は至って普通。

歓迎会の初日で男女の関係になった。倫子が俺に一目惚れ。倫子とはだいたいシフトが一緒。俺たちは他人にあまり気を使わないから、スタッフルームでも普通にしている。だが数人の従業員から俺達2人の陰口の噂は耳にする。

俺と倫子が実際に付き合っているというのは一部の従業員しか知らない。だっていちいち言う必要もないですよね。

それで、ある日回り回ってとある従業員から聞いた話によると、湯川班長が倫子にアプローチをかけているらしい。フフッ(笑)。

俺と湯川は1歳違い、彼が班長で立場と年上だからって相当強気だ。明らかに俺に敵対心を持っている。理由は学歴と職歴にある。学歴にコンプレックスを持っているようだ。

こないだ彼の自慢のセルシオで焼肉屋に誘ったらしい、倫子から聞いた。とにかく俺は金持ってるアピールが凄かったみたいで、ナルシストらしい(笑)。でもそれ以外の話、自分の家族・友人の話は一切しないようで、倫子の過去の事をうるさく聞いてきたようだ。

倫子はあっさりした性格で男に対してはクールな対応をする。でも俺に見せる顔は違った。そのギャップがまたイイんだな。

湯川班長も寮に住んでいる。まだ俺たちが付き合っているのを知らないということは、彼は鈍感なのか?いや、知っていて何か企んでいるのか?

1ヶ月、2ヶ月と過ぎて分かったが、この店には店長、主任、2人の班長、そして従業員と、派閥がある。

まず店長派→主任派→湯川派→大場派。

説明するとかなり複雑な関係にある。この派閥の下に各担当従業員が枝分かれで引っ付いている。ちなみに力関係は矢印の順番通りで、一番強いのは店長である。

でもね、大場班長は派閥を組んでる訳では無い。例えれば仲良しグループみたいなものだね。俺は大場班長を慕い支持してるよ。一番まともな人。温厚で冷静で野心家では無い。

また女性は女性で別派閥がある(笑)。俺は倫子と付き合っているので、女性従業員の誰と誰が対立してるか聞いて知っている。女性同士のいじめ、意地悪ったら酷い。女性スタッフはそれが嫌で辞めていく。

しかし、古参の従業員がどんどん辞めていく。この間オープニングスタッフから勤めている夫婦が寮に住んでいるのだが、2人共に店長と揉めに揉めて辞めた。 その理由だが、旦那の方が今まで3度も妊娠させては妻に堕ろさせて、その都度2人ともにしばらくの間仕事を休む。店側としたら甚だ迷惑だ。

バカラ札幌店には、まだ俺が知らない他にも何か重大な問題を抱えているよ絶対。

古参の従業員が辞めていくと、男性従業員の担当がいなくなる。担当がいなくとも従業員だけでホール作業は回せるが、班長の仕事がパンクする。そして女性従業員のカウンターがいなくなると、カウンターが大ピンチになる。

ただ客の呼び出しランプを取って、ドル箱を下ろしたりするホール巡回作業とは違い、カウンター業務はよっぽど経験がある人でないとカウンターに入れることは出来ない。

倫子は賢く仕事覚えも早くて、すぐにサブカウンター業務についた。カウンターでは特殊景品(換金札)を扱うので、現金と同じであるから数の間違えは絶対に許されない。女性従業員で現金を扱う仕事は、メインカウンター、サブカウンター(休憩を回す為に必要)、喫茶店この3役だ。お金を触るので計算管理するので責任感があって、仕事がしっかり出来る従業員でなければ絶対にさせられない。

ちなみにこのカウンター・喫茶店は女性従業員専門職である。一般男性従業員は入れない。カウンター業務はあと主任と班長しか出来ない。女性従業員は余程のアホではない限り、最終的にカウンターと喫茶業務に就くことは出来るのだが、まれに永遠とホール巡回専門女性従業員がいる(笑)。

この巨大なホールで班長が2人というのは少ないのではないか?という話が湧いて出てきた。札幌店をオープンさせた設備投資の回収が少しは出来たのだろうか?ようやく本部も重い腰を上げ、ウチの店長へ人事の指示出したらしい。

湯川班長が言っていた。

来月から班長職を新たに2人設けるようだ。一体どの担当が班長に昇格するのか?興味はある。それより早く俺を担当に上げて欲しい。俺の年齢のせいなのか?何故かこの店は若い奴を上げる(上に)傾向にあるようだ。

金ちゃんと呼ばれる、金子という古参の従業員が辞めた。湯川班長とのトラブルで辞めることになったみたいだ。事務所へ金子が乗り込み、店長に直接「店長!俺を取るか湯川を取るかどっちかに決めて下さい!いい加減ずっと湯川のカタばかり持つのはやめて欲しいんです!」と事務所内で吠えたらしい。

若い奴は血気盛んだ。そんな一瞬の出来事で金子は自主退職するハメになった。我慢していれば良いものを...勿体無い。

実は金子は店長のお気に入りだったという。何故かというと、猪田店長は同グループの北海道美唄店、前店長をしており、その下で働いていたのが金子班長だったからだ。美唄店の前主任は現札幌店主任の坂下。要は3人で一緒に札幌店に転勤となった。

若い金子は栄転だと勘違いしていたようだ。そして次第に猪田店長との関係性のズレが生じてきたらしい。

当初札幌店が新装開店オープンする際の人事について、猪田店長は班長を大場班長と金子と決めていたらしく、オープン直前に突然湯川が現れたということらしい。

本部はパチンコ店勤務経験の高さ、年齢もそれ相応として湯川を班長に据えることを、定例の店長会議を通じて猪田店長に指示したと言われてる。店長会議は毎月一度札幌店のVIPルームで行われる。おそらくはただの茶飲み会だろう。

金子は急遽の人事変更に不満であったが、都会の札幌に出てこれることと「しばらくしたらすぐに班長に上げてやる」との猪田店長の甘い言葉を信じてここまで頑張ってやってきたようだ。

しかし今回の些細な揉め事(詳しくは知らない)で、金子の湯川に対する怒りの堪忍袋の緒が切れたってことになったんだな。

札幌店の従業員なら誰もが知っている、猪田店長と坂下主任、金子従業員の仲の良さ。それが猪田店長が結局湯川班長を選んだ事で、店中は大騒ぎになっていた。主任も湯川班長の腹黒さを知っているのに、店長側に付くというズル賢い情弱な人間である。

従業員のほとんどが湯川班長に不満を持っている。金子は従業員皆に対して信頼がある。湯川班長のように休憩時間を誤魔化したり、女性従業員にいじめをしたりしない。金子は湯川班長の作戦にまんまとハマった形になった。見ていると分かる、店長への長いゴマすりが見事効いたのだろう。

スタッフルームで休憩中、大場班長がボソッと俺に話してくれた...「はぁ、疲れたね。岩佐くんさぁ...俺は、湯川くんと金子くん、どっちを選ぶか?って考えた時に...店長は金子くんを取ると思ったけどね...店長も少し金子くんのこと考えてあげてくれてるのかな...と思ったんだけどさ。金子くんが事務所を飛び出した後、もう金子はうんざりだ、班長に上げなくてよかった。わざわざ札幌くんだりついて来やがって...って言った時は、俺もさすがにそれはないでしょ?って思ったよ。」大場班長と俺はとても仲がいい。

なるほど。オープン当初からの2人の因縁が爆弾になり、とうとう爆発したということか。あまり詳しくこれ以上知りたくもないし、どうでも良い。あまり首を突っ込むと厄介なことになる、傍観するのが一番よい。

担当が減ったので急遽、俺が担当に昇格することになった。湯川は強く反対したそうだが、店長が決めた(笑)。朝一で担当の仕事を教えてくれたのは、河東。寡黙な男であったが、従業員から聞くとどうやらこの人「薬中」らしい。毎日薬でラリって仕事をしているようだ(笑)。

まあ、周りに迷惑掛けてくれなければいい話だが。仕事は出来る。真面目な男だった。ミスも無い。しかしこの河東とは従業員同士としては、絶対親しくなりたくないうちの1人である。何故だろう?これは私がこれから出世を目指す障害となるうる男かも知れない。そう自分の直感、つまりもう1人の自分が警告している気がするのだ。

しかしパチンコ店とは問題を抱えた人間が勢揃いだ。俺が店長になったら必ずこんな古い体制は変えてやる。

基本いつも、スタッフルームでは俺の周りには女従業員しか集まらない。女従業員をいじるのは楽しい。男とは馴れ合いたくない。男はしっかり泥臭く働け!だからこの店に男子従業員で親しい奴など特にいない。湯川のように店長だけに気に入られればいいのだ。

しかし最近の湯川はやりすぎだ。ライバルの金子がいなくなった途端にさらに変貌した。厳しいルールを勝手に作り、今までの従業員だけの担当が作った特別ルールを撤廃した。

早番の引き継ぎ後、早番スタッフは直ぐに終礼をし、タイムカードを押しては帰れない。必ず約30分〜1時間作業をする。女子なら空き台清掃、スタッフルームの掃除、男子はホール通路のモップがけ、駐車場の清掃。そして一番キツいのが1階のジュース倉庫から、階段で2階の倉庫へ運ぶ。運ぶ数にノルマがある。ジュースが入ったダンボール1ケースを何段も積んで階段を上がる、これでヘルニアになった奴もいた。

金子がいた時は、担当が作業の割り振りを決めていた。「前回君ジュース上げだったから、今日は駐車場掃除ね」とか。配慮していたのだ。 班長には従業員同士の深い気持ちは分からない。班長と一般従業員との間には少なからず大きな壁があるからね、特に湯川とは。

湯川は嫌いな従業員には徹底してジュース上げをやらせた。これが新しく決めたルール。班長が引き継ぎ作業を指示すること。班長が好きな作業を命令することができる。

そして金子がいる時には、早めにこれら引き継ぎ作業を終えたら店舗から、外に出た離れの立体駐車場屋上の階段室に皆んなが集まり、「タバコを吸う(一服タイム)」をするのが、息抜きであり楽しみであった(引き継ぎ作業中にスタッフルームで煙草は吸えない。禁止だし、班長がいるから)。

湯川は金子がいたから、その早番の引き継ぎ後の「一服ルール」は見逃していた。湯川は金子のことを“金子くん”と呼んでいたし。喧嘩になれば金子の方が強いだろうし、湯川はただ口が達者なだけで体は細くて弱そうだ。

なんと湯川はその「一服タイム」を店長にチクって、駐車場での唯一従業員の楽しいイベントを奪った。湯川は逆にそれで株を挙げた。店長が知らないことを報告したからだ。

猪田「従業員共が勝手によくもそんなルール作ってたたもんだ...金子の野郎。湯川班長、もっと従業員に仕事つくってやれ!そしてしっかり監視すれよ、特に担当連中な。主任にもきつく言っておく。」

そんなひどい状況なら、皆従業員で店長に詰め寄って真実を話す!「湯川班長もタバコの件知っていて許していました!湯川班長はいつもサボっています!店長の陰口言ってます!女性従業員をいじめてます!」と言ったらどうなの?って思うでしょう。

無駄無駄無駄。何しろ派閥があって従業員同士の結束力は弱いし、店長と一般従業員が話せる機会は一日において全く一切ない。班長に話が通ったとしても、問題があるような話は主任で止められる。店長まで話は上がらない。なんと言っても一般従業員の名前すらウチの店長は把握していない。

猪田「おい主任、今の従業員、なんて名前だ?」という場面はざらにある。

また、従業員からしたら店長は雲の上の存在。何を言おうが、当然湯川班長の言い分が通るだろう。不満があるんならお前ら従業員全員辞めたっていい。岩見沢や美唄、苫小牧から従業員なんて引っ張って来れる。そんな考え方が古い頭の店長である。従業員への感謝の気持ちは一切ない。自分が王様なのだ。

長いものには巻かれろ。皆、新しく決まったルール通りに作業していれば、何も文句は言われない。その代わり従業員は奴隷に徹しなければならない。

従業員のストレスは溜まるが、俺達担当は特殊な作業を行うから楽だ。自動販売機のジュース入れとか。従業員が行った作業の点検チェック。担当職になって詳しい事情も知ることが出来るし、楽だから。その為には早く班長にならねばならない。

大場班長?彼は実に従業員に甘い。だからたまに主任や店長に説教をくらっているが、頭がいいから上手く立ち回っている。仕事においてミスもしないし、冷静で穏やかな性格である。

湯川班長は全くその逆。人間ってこうも違うとはたから観察してると面白くなってくるもんだよ。

パチンコ店の営業は同じ作業の繰り返し、出玉を出して、出玉を回収。だが、人間相手のサービス業であることを忘れてはいけない。それは突然ある時何か重大なトラブルとして発展する。だから気が抜けない。

女性従業員を大量募集したため、毎日新人が入社する日が続いた。古参の従業員がどんどん湯川と主任の嫌がらせで辞めていく。

辞めたい奴らは辞めていけばいい。この業界は弱肉強食だ。

俺は負けない。

来月あと数日で4月1日になり、その日に札幌店新たな班長の辞令式が行われる。噂では下岡くんと九藤くん、八戸さん他...。大番狂わせもあるかも知れない。小林...河東とか?!いや、湯川お気に入りの河東が?

まさかな(笑)。

次回【8】へ続く...

☆皆様本日もご来店誠にありがとうございます。

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